初対面




春は出会いが多い



大きな教室に集まって
すみっこにいてヘッドフォンで身を守る君

なにかとても大事な用事のように
熱心に携帯をいじって身を守る僕

話しかけられるまで
まるでそこにいないかのように
無であって
声をかけられると
急に明るくなって
当たり障りのない会話をして
身を守る僕たち

ほんとは君と話がしたい
君とは友達になれそうだけど
君が話しかけてほしくなさそうな顔をするから
きっと
ぼくらはともだちになれない

トモダチが
ふえてゆく








七畳半